ふるさとの味、和歌山みかん

フルーツ/果物

和歌山みかんは、ふるさとの味そのものです。

僕が少年の頃、家族で暮らしていた和歌山の風景とともに、みかん畑の景色はいつも記憶に残っています。

秋から冬にかけて、家の裏山にはみかん畑が広がり、鮮やかなオレンジ色に染まっていたのを今でも鮮明に覚えています。

みかんの収穫が始まると、家族や友達と手伝いに出かけたものです。

農家の方たちは手際よくみかんを選びながら収穫していましたが、僕はまだ子供だったので、その手伝いよりも木から取ったみかんをすぐに食べるのが楽しみでした。

陽に当たって暖かくなったみかんを一つ手に取り、皮をむいた瞬間に広がる香りと、甘酸っぱい味は、子供の頃の幸せな瞬間の象徴です。

寒い冬の日、こたつに入りながら家族でテレビを見ていたとき、必ずそばにはみかんがありました。

母がみかんの皮をきれいに剥いてくれて、その皮でしばしば遊んだりもしました。

手で小さく折りたたんで「みかんの皮爆弾」と名付け、誰が一番遠くに飛ばせるかを競い合ったものです。

僕にとって和歌山みかんは、ただの果物ではありません。

それは家族の温かさや、故郷で過ごした日々の記憶そのものです。

みかんの甘さと酸味は、僕の成長と共にあり、ふるさとを思い出す度に、またあの味を味わいたいという気持ちになります。

今、自分でみかんを育てるということは、ふるさとへの感謝や思い出を未来に繋ぐことだと思っています。

昔、祖父母や親が僕にみかんの育て方や味を伝えてくれたように、僕もこれから自分の子どもたちにその味と喜びを伝えていきたいと思います。

自分で育てたみかんを食べながら、家族でこたつに入り、和歌山の風景を語り合う—そんな光景が未来に続くことを願っています。

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